公開から2月たちました。
昨日は、東京・日劇1での最後の上映(今日から日劇3になる)だったので、最終回に行ってきました。
2月めのレビューです。
実は気になっていたことがあるのですが、
予告編ではジャズ・クラブで、ピーターにつきとばされたMJが
「なにがあったの=あなたになにがおこったの?(WHATs HAPPENと言っている)」
と言っていますが
完成した映画では「あなただれ?=WHO ARE YOU?」
というセリフにかわっています。
ここは、極めて重要な変更で、
つまり
「黒い生命体にとりつかれたのは偶然かもしれないが、
ブラックの力を選択したのは他ならぬピーター自身であり、
ピーター自身に責任がある」
とサム・ライミ監督は言ってるわけです。
今度の「3」、、
”大いなる力には大いなる責任が伴う”というあのセリフこそ出てきませんが、
”黒の力”は、もうひとつの大いなる力であり、それにまつわる責任の所在を
サム・ライミ監督は絵解きで見せているのです。
そしてマルコ=サンドマン VS ブラック・スパイダーマンの地下鉄バトルですが、
ここも「2」との比較でよくできていて、
「2」の電車バトルでは、スパイダーマンはドック・オックを倒すこと以上に、電車の乗客の安否を
気遣っています。
スパイダーマンは、人の命を助けるのが使命であり、悪人退治が主たる目的のヒーローではないからです。
しかし「3」のブラック・スパイダーマンのこの戦いには、地下鉄の乗客の命はいっさい関係ない。
ブラック・スパイダーマンは、ひたすらサンドマンを倒すことにすべてをかけています。
「2」のスパイダーマンと「3」のブラック・スパイダーマンの
違いを、同じ電車でのバトルというシチュエーションをつかいながらあざやかにみせていく、
このへんのサム・ライミの構成力にやはり感服してしまうのです。