★もうひとつの”大いなる力”:MY「3」レビュー

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2007/06/29 17:51

すぴ。

公開から2月たちました。

昨日は、東京・日劇1での最後の上映(今日から日劇3になる)だったので、最終回に行ってきました。
2月めのレビューです。

実は気になっていたことがあるのですが、
予告編ではジャズ・クラブで、ピーターにつきとばされたMJが
「なにがあったの=あなたになにがおこったの?(WHATs HAPPENと言っている)」
と言っていますが
完成した映画では「あなただれ?=WHO ARE YOU?」
というセリフにかわっています。

ここは、極めて重要な変更で、
つまり
「黒い生命体にとりつかれたのは偶然かもしれないが、
ブラックの力を選択したのは他ならぬピーター自身であり、
ピーター自身に責任がある」
とサム・ライミ監督は言ってるわけです。

今度の「3」、、
”大いなる力には大いなる責任が伴う”というあのセリフこそ出てきませんが、
”黒の力”は、もうひとつの大いなる力であり、それにまつわる責任の所在を
サム・ライミ監督は絵解きで見せているのです。


そしてマルコ=サンドマン VS ブラック・スパイダーマンの地下鉄バトルですが、
ここも「2」との比較でよくできていて、
「2」の電車バトルでは、スパイダーマンはドック・オックを倒すこと以上に、電車の乗客の安否を
気遣っています。
スパイダーマンは、人の命を助けるのが使命であり、悪人退治が主たる目的のヒーローではないからです。
しかし「3」のブラック・スパイダーマンのこの戦いには、地下鉄の乗客の命はいっさい関係ない。
ブラック・スパイダーマンは、ひたすらサンドマンを倒すことにすべてをかけています。

「2」のスパイダーマンと「3」のブラック・スパイダーマンの
違いを、同じ電車でのバトルというシチュエーションをつかいながらあざやかにみせていく、
このへんのサム・ライミの構成力にやはり感服してしまうのです。

 Comments 3
 2007/07/04 23:26
 mina
 レビュー興味深く拝見しました。サムライミ・・深いですね。「3」はシリーズの中で一番深い作品では??と思います。私はもう5回見たのですが、また見たくてたまりません。映画館で見たのは「2」が初めてでその時も6回通いました。DVDはほんとお気に入りの音楽を何度もリピートするようにもう何回みたでしょうか??不思議なのは何度見てもいつも新鮮ということ。そして見るごとに違う発見があったりしてホントに楽しいんです。スクリーンで上映される限りがんばって見に行こうと思います。 ところで「2」と「3」の撮影監督さんは変わらないのに、「2」はすごく美しく明るめのライティングだったのが、「3」ではちょっと暗めで現実的な気がするのですが、このあたりもサム監督の意図があるのでしょうか???
 2007/07/05 10:04
 すぴ
 なるほど! 撮影のトーンですか、、それは気づかなかった。 なにか意図があるのかもしれません。 あるいは、例えば複雑なサンドマンの特撮とかの色味の関係で調整した? でも今回、ピーターのダークサイド話ですから、 全体的に暗めにしたかもしれませんね。
 2007/07/05 23:46
 mzo
 すぴさん、レスありがとうございます。(恐縮です) 「3」は暗さもそうですが鮮やかさ「彩度」も落としている気がします。赤のスパイディスーツに差がわかるような、、。気のせいかもしれませんが。演技する俳優も美しく見せるというより、リアリティのある生の顔を見せることに重きをおいていたように思えました。(特に主役の3人。)。やはりダークサイド話だからでしょうか?公開後こそいろいろサム監督には語って欲しいのですが、DVDまでお預けでしょうか??