「スパイダーマン3」についてのレビューです。
ネタバレありなので、ご注意ください。
******レビュー? サンドマンはどうなった?******
映画サイトの書き込みをみると、ラストでスパイディがサンドマンを見逃す=許すシーンが納得いかない、安易、スッキリしない等の意見があり、ここがファンの間で議論になっている感があります。
これについて、僕個人の意見を書かせていただきます。
あのとき、ピーターはマルコを許すと同時に、果たされなかったベン伯父さんの意志をついだのでしょうね。
ベン伯父さんがマルコにしてあげようとしたこと・・カージャックを働こうとした彼に「銃を棄てて家に帰りなさい」と言った、、それは、マルコに立ち直る=思いとどまるチャンスを与えることでした。
そう、ピーターは、ベン伯父さんの死の真相を知ると同時に、
あの時ベン伯父さんがやろうとしていたことを、サンドマンとなったマルコにしてあげたわけです。
サンドマンが、これから先、どうなるのか正直わからない。
また犯罪者になるかもしれない。
でも、もう一度マルコを信じること
そしてやりなおしのチャンスを与えることこそが、
あのときのピーターにとっては必要だったのであり、
あの瞬間、ピーターは“ベン伯父さんの死”を、
ようやく受け入れ、のり越えることができたのです。
そして、マルコも“自分の過ちが、スパイダーマンを生んだ”と知ったとき、もうスパイダーマンとは戦えなくなってしまう。
このへんのくだりは、ティム・バートンの「バットマン」1作目で、
バットマンの両親を殺したのがジョーカーとわかったとき、
「お前が俺を作ったのだ」とジョーカーに殴りかかるバットマンとは、
全く異なるアプローチです。(まあバットマンは、犯罪者を許さないヒーローだから)
もちろんスパイダーマン・シリーズは、
娯楽アクションであり、ディスカッション・ドラマではない。
けれど、単なるサンドマン退治の映画でもありません。
「マルコってこれからどうなるんだろう」を観客一人一人が持ち帰って、想像をふくらませるのも、この「3」がくれたお土産でしょう。
(だから、納得いかん、という意見もいいとは思います)。